漢方ブログ
第12話 気がめいってやる気になれない 漢方編
2009.09.18
Dさんは、去年、ツアーでグアムに旅行に行きました。その際、現地でいろいろ世話をやいてくれた男性の案内人を好きになってしまいました。日本に帰ってからは、簡単に会えるわけもないので、あきらめようと思うのですが、あきらめきれません。
そんな毎日を過ごしているうちにめいってしまい、仕事もやる気になれず、うつうつとした日が多くなってしまいました。きちんと仕事をしないと気がすまないDさんのはずが、仕事もウッカリミスが多くなり、段取りも悪くなってしまったのです。最近では、食欲もなくなり、たちくらみやめまいもし、生理もだんだん遅れがちで、来ない月もあります。
Dさんは、会いたくても会えない気持ちから、精神を自分らしくのびのびとする役目をする肝気が鬱してしまいました。これはうつ病のことではありません。健康な人でもこんな気持ちになってしまったら、同じ状態になってしまうでしょう。決して病的なものではありません。これをうつ病としてもし治療するようならば、Dさんの健康な精神がもっと狂ってしまいます。
Dさんには、肝気をのびやかにする漢方薬を飲んでもらいました。すると、会いたい人のことは当然気になるのですが、また休暇を取って会いに行けばいいやと、割り切れるようになったのです。
これは割り切ろうと思い込むのとは異なり、こころの底からそう思えることを意味します。意識して割り切ろうとすればするほど、そのことが頭から離れなくなることがあり、かえって意識してしまうことになりかねません。
肝気をよくするということは、こころの面でのゆううつな気持ちやめいりを解き放ち、こころや体の不調のブレをもどしてくれる手助けをしてくれるのです。