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漢方ブログ

著書「すぐに役立つ うつの家庭療法」に梁哲成医師より推薦文をいただきました。

2010.12.31

「“うつ”だなと感じて困っているのですか?休養もとって、薬を飲むなど、いろいろな治療を受けているのですね。でも、他にすることがあります。本書には、あなたに、自分だけで、今からすぐに、毎日できることが書かれています。あなたと、あなたの主治医の患者指導書としても薦めたい!」
(梁哲成 日本東洋医学会・日本小児科学会専門医・やんハーブクリニック院長)
本書の前書きより抜粋
『漢方で治すゆううつイライラ不安』を七つ森書館より出版して早いもので10年が過ぎました。その間、派遣切り、給与カット、デフレ、円高などと私達の環境は国民に苦労を強いるように変化しています。それにつれて「日本国民総ウツの時代」などと言われるように、うつ病とその予備軍の人が増えてきています。
 相談したくても精神科の門はなかなかくぐりにくかったり、病院にかかるにしても治療費やカウンセリング料が気になったり、一方ドラッグストアーやインターネットなどで気軽に手に入るサプリメントや漢方薬を相談もせずに飲んでいるというような話をお聞きします。
 私のところで、日々患者さんの相談を受け、漢方で精神面の悩みから救われる人を見るうちに、もっと多くのうつで悩む人に、漢方でこころが変えられることを知ってほしいと思っていました。
 そんな折、七つ森書館よりうつの人の本をという要望をいただき、この本を書くに至った次第です。
 気分や気持ちが変わると聞いたら、誰でも「そんなことできるの?」と思われるでしょう。それは、きっと現在のこころから抜け出したいと思う気持ちが強い人ほど、驚くことでしょう。
「もっと強くならなければ……」
 決してこころが弱いのでありません。
「これではだめだ。こころを変えなきゃ」
 と意識すればするほど、そのことがこころのなかで大きくふくらんでいくことでしょう。
 こころを変えるのではありません。こころが変わると言った方がいいでしょう。
 漢方ではこころは内臓である五臓(肝・心・脾・肺・腎)にあると考えています。例えば、西洋医学でいう腎臓は、体に必要なものと不必要なものを分けて、尿を作る臓器です。ところが、漢方ではその機能だけでなく、成長、老化、ホルモンの役目、耳の役割、足腰の機能、信念などを受け持つ臓器と考えています。
 目標に向かってやり通す強い信念は腎臓が受け持ちます。腎臓の弱い人は、信念が弱くなるので途中で挫折しやすくなるのです。決して根性が弱いからではなく、腎臓が弱いからなのです。
 同様に、心臓の弱い人(漢方では心虚といいます)は不安感をもちやすくなり、胃腸の弱い人(漢方では脾虚といいます)は理由もなく心配し思い悩みます。
 この本に書いたことを実行しているうちに、
「アレッ、気にならなくなっている。そういえば気にせず無意識に動いている」
 と後で気が付くものです。
 この本では、症状によって気軽にできる食事療法やハーブ、薬草茶などは「家庭療法」に、専門家も参考にできるレベルの漢方やツボについては「専門療法」にと、分けて書いています。また、「うつの考え方と治し方」によりくわしく書いていますので、ぜひ参考にしてください。
 やれそうなことから始めてみてください。何であんなに苦しかったんだろうと思えるときがきっとくると思います。
 今はそんなことは到底思えないでしょうが、きっと成長した自分に合うことができるでしょう。
 うつで悩んでいる方がこの本を読まれ、一人でも多くの人が明日に向かって生き生きと一歩を踏み出していくきっかけになれたら、これほどうれしいことはありません。
 なおこの本を書くにあたり漢方の師である梁哲周先生のご指導があったればこそと、ここに深く感謝を申し上げます。
   本草園主人 萩原 忠幸

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