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第49話 ステージIV肺ガンの血痰を伴うなう咳が漢方で止まる 

2011.02.08

 Sさん(女性)のことを案じた娘さんからの電話だった。肺ガンのステージⅣ、しかも転移もみられ、病院ではすでに手の打ちようもなく、二・三週間もてばと言われながら自宅に帰っているという。相談を受けたときには、二・三週間の内の10日を過ぎているのである。
 咳はひどく、血痰混じりで、横になることもできず、もたれかかるように寝ているという。来ることはできないというので、電話越しに咳の音をきかせてもらう。タンは濃く、粘り、切れの悪いことは音でわかる。咳のために本人はしゃべることさえできない。咳の音は、洞窟の奥までこもるような、反響して聞こえる。「わかりますか?」と娘さんに聞かれ、「わかりました。何とかなると思います。」と答えた。
 末期ガンであるが、痰熱証である。急ぎ漢方薬を作り、飲ませることになった。飲ませながら、一週間、二週間と時が過ぎ、余命の三週間をとうに過ぎ、今二ヶ月を過ぎるが咳は止まり、本人はすごく体調もよく、食事もおいしく食べている。気は抜かないように、相手はガンだからと諭す毎日である。

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