漢方ブログ
第56話 9歳女子の音声チック症(トゥレット症候群)が漢方薬7日で良好
2011.06.04
小学生の女子であるが、無意識のうちに声を発生してしまう、音声チック症である。授業中で静かな時でも声が出るので、男子などからいじめられるという。首曲げ、肩すくめ、顔しかめなどの運動性チック症などには従来、平肝熄風の漢方薬がよく使われている。肝は筋肉をコントロールするので、不随意の筋肉運動を肝で治すのは理論上当然のことである。しかし、本患者の様子をみると、異常な緊張感もふだんあるわけでなく、のどがつまり、しゃっくりのような声の出し方をするのである。のどがつまるなどというと、肝気鬱痰凝証の半夏厚朴湯を思い浮かべるが、この子には適さない。私はある漢方薬7日分・・・この処方をトゥレット症候群に使用した症例は今までみたことはない・・・をこの子に処方した。そして、7日後の今日再来し、大分出方が減ったという。本人もうれしそうであった。どの位で完治するか楽しみである。