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漢方ブログ

第58話 交通事故で救急搬送の患者に漢方薬を

2011.07.09

67歳の女性であるが、私の治療に絶大な信頼をおいてくれている人である。ある日、彼女が交通事故に遭い、私の所へ電話をしてきた。「先生、これから救急車が来るのだけど、先生の所へ行ってもいいですか?」と。いつだったか、私が彼女に交通事故でも良くなるからと言っていたのを覚えていたらしい。私の所は、病院でもないし、入院施設もないので、とりあえず病院に搬送してもらうように諭した。病院の部屋に落ち着いた頃、電話がかかってきて、「先生痛みが辛い。内臓破裂やら、出血だとかしているかもしれないけど、今は検査もできないらしく、薬も処置も何もされない。」というのである。そんな訳なので、漢方薬をもって、部屋にうかがった。水も、食事もだめという状態を、付き添っているご長男から聞いた。患者に「飲みますか?」と聞くと、「はい。」という返事で、傍にいるご長男も、目でうなずいている。水もだめといわれているので、持参した漢方薬を唾液で溶かして少しずつなめるように飲みなさい。」と指示した。一錠ずつゆっくりとなめてなくなっては次へと、彼女は言う通りになめ続けた。翌日電話が彼女からあり、「先生痛みが、3錠目から止まりました。」と。その後、検査も異常なく、退院も早かったという連絡がきた。後遺症もまったくない。
※症例はすべて事実にもとずくものですが、処方を提示しますと、症状や病名のみで同じ処方を使用される危険性を考慮しあえて提示しません。漢方は弁証した上で、使用されるものです。

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