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第81話 吐き気と食欲不振、力も入らず、行きたくても大学に行けない

2012.11.07

 23歳の女性(大学院1回生)であるが、昨年の大学4年の卒論以後に、食事も十分とらずに頑張ってきた結果、今年6月頃から少しずつ体に変調をきたし始めた。7月にもなると、食事も取れない状況も出てきたので、病院にて検査をしたところ、特に異常はみられなかった。その際、心療内科も受診をすすめられたので、二ヶ所でみてもらい、その時の病院から漢方薬を処方して飲んでいる所である。
 処方は、茯苓飲合半夏厚朴湯1回1包を朝・夕2回並びに五苓散1包を朝・夕2回併用を計30日服用。ついで、茯苓飲合半夏厚朴湯1回1包を朝・夕2回並びに、朝:人参湯1包・夕:五苓散1包を併用を15日分。次に、茯苓飲合半夏厚朴湯1回1包朝・夕2回並びに朝:当帰四逆加呉茱萸生姜湯1包・夕:帰脾湯1包併用を15日分。現在は茯苓飲合半夏厚朴湯1回1包を朝・夕2回並びに朝:小半夏加茯苓湯1包・夕帰脾湯1包併用で服用中とのことであり、依然として変化がなく、ブログをみて思い余って父親が相談してこられた。
 
 症状としては、朝目が覚めると、悪心があり、胃酸が上がってくることもあり、起き上がるのがつらい。食欲がないことが多く、食べたいものがない。体重も減少気味で、ここ2・3年で2・3kg落ちており、生理も9月は止まっており、以前と比べると、遅れることが多い。胃部を圧迫するのをいやがり、圧迫によって気持ちが悪くなる。患者は責任感が強く、大学へ一刻も早く行きたいと願っている。
 精神科の医師は、その処方をみると胃の痰飲による吐き気ととらえている。茯苓飲合半夏厚朴湯は証があっていれば、1週間で効果はわかるはずである。ところが2カ月以上も患者に飲ませている。つまり、漢方の効果の発現を長くかかるものと考えているのか、処方に疑いを持ってはいない。
 私の弁証は、胃寒による上逆であるので、使う処方は単方であり、最初7日分を投与した。もちろん、医師の漢方薬は中止してもらった。驚いたことに、患者は服用3日目に、しんどい体にもかかわらず大学へ行ったという。続いて、7日分投与。服用10日も経つ頃、吐き気は止まり、食欲も合わせて出るようになり、10月の生理は28日で来たという。合計34日で治療薬を廃薬し、養生薬に切り替えた次第である。

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