漢方ブログ
全身のじんましん 夜中も痒くて眠れない 70代 男性
2014.07.18
皮膚科にかかっていたが、とにかくかゆみがひどく、夜中も昼間も数カ月かきつづけている。副腎皮質ホルモンを顔、頭、身体と三種類使っており、さらに飲み薬も併用しているがおさまらない。知人から漢方薬を試してみたらと言われて来店しました。
掻いたところが、ガマガエルのイボのように盛り上がり、それを掻いて削ってしまっている。全身であり、皮膚はこわばり、硬いゾウの皮のようである。
これほどひどい皮膚病であるが、私からみると難しいわけではない。それは、原因がはっきりとしているからである。
いくら皮膚科の先生が治療しても、かゆみのもとが治せないと止めようがない。
全身痒くてしょうがないのは当然で、身体の熱・・・風邪の熱ではなく、炎症やかゆみを起こす熱が身体に存在しているのです。
漢方では、熱があるから結果としてかゆみが生じる。源の熱がさめなければ、かゆみは出続けると考えます。
一般の人が考えると、漢方でこの数カ月も痒い皮膚病が止められるのかと思うかも知れません。
私は、まず5日分の漢方薬をお出しして様子を見ました。風邪薬などは1日分でも十分わかります。家族に対しては一服で様子を聞きます。
最初患者さんは漢方薬を5日飲まれ、かゆみが軽減されてきたので更に5日飲まれ、ただいま2週間で、ほとんどかゆみがなくなりました。
そして、併用した軟膏はホルモン剤の入っていない皮膚の熱をさます清熱作用のあるものを使用しました。ステロイドは、使用していくうちに皮膚が段々硬くなり、それでも掻き続けると、もう効かなくなってしまうのです。
横浜の病院で漢方クリームと称して、アトピーの患者さんに、ステロイドホルモンが入っているのにステロイドは入っていないと言って患者さんに渡していたと今問題になっています。あれほど、効くものがステロイドでない訳がないのにです。臨床をしていれば、よくわかることです。
私の経験で、リュウマチの方ですが、中国で薬を買って来られて、良く効くと思っていたら、中にステロイドが入っていたことがありました。中国の製品は、商品説明がすべて漢字で、しかも省略形の簡体文字なので読めないで要注意です。
さらに、漢方薬だからいいのではなく、自分の状態に合わせたたもの、これが一番重要なのですが、これを適切に飲むことが大事です。それは、漢方の診断学をしっかり勉強した人にしかできないことではあります。