漢方ブログ
第26話 副鼻腔炎が漢方で治らない?証がみれない漢方専門店
2010.11.03
Bさんは20年来、副鼻腔炎を患っています。前頭部と上額部が重苦しく、黄色い鼻汁とタンがよく出てきます。病院に行って治療したこともありますが、消炎剤と祛痰剤が出るくらいでなかなかよくなりません。ある日、「そうだ漢方があるじゃないか。」と気が付き、ある専門店に相談に行きました。その結果、「漢方薬は2・3カ月飲まないと効果はでませんよ。」という説明で、「そうだな。こんなに長く患っているのだから、当然だ。」と考え、言われるように、葛根湯加辛夷川芎と蒼耳子散を薦められて飲みました。ところが、3か月たち4か月たち、なかなか効果が出てこないのです。そのうち、相談したお店の人の効果に対する言葉の歯切れが悪くなってきました。自分の体が悪いのかなと思い、インターネットで宣伝している別の漢方専門のお店に相談にいきました。そこでも、、「漢方薬は2・3カ月飲まないと効果はでませんよ。」という説明でした。前のお店の薬のことも話して、出てきた漢方薬が、荊芥連翹湯と排膿散及湯でした。言われるままに3カ月、4か月と服用を続けましたが、一向によくなりません。さらに、もう一軒、ほとんどやけになっていたといいますが、相談に行きました。そこでは辛夷清肺湯と排膿散及湯が処方されました。結果は、そうです、ハギワラに電話をしてきたのです。「確かに今まで処方されたお薬は、一般的に副鼻腔炎に使う薬です。ところが、あなたの鼻の状態は今までの漢方薬ではよくなりません。」と申し上げた。つまり、「あなたの副鼻腔炎は痰熱(たんねつ)によるものだから、今までの漢方薬はすべて効果がないのです。」と。彼は、私の言葉を信じ、10日後には鼻汁はほとんど止まり、タンもでなくなった。運よく途中風邪もひくことがなかったので、3か月の服用で漢方薬も止めるにいたったのである。2・3ヶ月様子をみなければわからないようならば、ほとんど博打の世界である。